氷川きよし 劇場公演でジャンヌ・ダルクやフランス貴族の姿に!? 公開ビジュアルに隠された意味を読み解く

明治座 氷川きよし特別公演2022

・氷川きよし、座長公演でジャンヌ・ダルクに スポーツ報知
・氷川きよしがルパン!?ジャンヌ・ダルク!?「特別公演」ビジュアル解禁 デイリースポーツ
・氷川きよし 6月の明治座公演…舞台はフランス「望んでいた内容なので、ワクワクしています」 東スポ
・氷川きよしが18世紀フランスにタイムスリップ、今年の座長公演ビジュアル公開 ナタリー
・氷川きよし、見目麗しい“3変化” オスカルやジャンヌ・ダルク、口ひげの怪盗ルパンに!? オリコン

<明治座のサイト>
・明治座 氷川きよし特別公演 2022年6月3日(金)~7月4日(月)
・座長・氷川きよし特別インタビュー

氷川きよしは今年いっぱいで活動休止期間に入ることを発表しています。でも12月まで、今年の予定はわりと盛りだくさん。4大劇場で行われる特別公演、その演目とビジュアルが公開されました。
「特別公演」(座長公演)といえば、第一部がお芝居、第二部が歌謡ショーという構成。短いもので1週間程度、長ければ約一ヶ月、昼夜公演も含めて連日開催する長期公演。ごく一部の歌手だけが可能で、座長を務めることは人気の証です。演歌系の歌手が特別公演を行う会場としては、現在は東京・明治座、名古屋・御園座、大阪・新歌舞伎座、福岡・博多座の4つが代表的な劇場となっています。

<氷川きよし特別公演>
第一部:「ケイト・シモンの舞踏会~時間旅行でボンジュール~」
第二部:「氷川きよしコンサート2022」

※公演日程
2022年6月3日(金)~7月4日(月) 東京・明治座
2022年7月23日(土)~8月5日(金) 大阪・新歌舞伎座
2022年8月15日(月)~8月27日(土) 福岡・博多座
2022年9月5日(月)~9月15日(木) 愛知・御園座

氷川きよしがこれまで座長公演のお芝居で演じてきたのは、旅役者・恋之介、若き日の銭形平次、火消しの辰五郎、江戸っ子の一心太助などで、いずれも時代劇。今回のお芝居の舞台は18世紀のフランス。ある意味「時代劇」には違いないのですが、現代の若者・子門慧音(しもん・けいと → ケイト・シモン)がタイムスリップするストーリーとのこと。

【あらすじ】
歌手を目指している子門慧音(しもん・けいと=氷川きよし)は病気の母親に代わり、家計を支えるためアルバイトに明け暮れていた。そんなある日、入院中の母親が亡くなってしまう。落ち込む慧音に、母の形見であるフランス製の砂時計が目に入る。「時を戻せたらどんなにいいか…」そんなことを思いながら、慧音は砂時計をひっくり返す。すると、時空が歪み始め、なんと18世紀フランスにタイムスリップしていたのだった…。

公開されたビジュアルでは氷川きよし自身が、オスカル(赤い軍服)、ジャンヌ・ダルク(甲冑と剣)、アルセーヌ・ルパン(シルクハットに口ひげ)に扮しています。あれ? 「人々との交流を描く物語」のはずなのに、もし主演の氷川きよしがフランスの有名人物を演じるのならば、主人公の子門慧音はどうやってこの3人に会うのでしょう? 子門の人格のままフランスでいろんな衣装をまとって何変化もするのか、あるいはタイムスリップする度に違う人物の中に彼の魂が入り込んで、その人物の人生を生きることになるのか…。脚本がどう作られているのか興味深いところです。
まぁフランスを救ったジャンヌ・ダルクは実在した歴史上の人物だからよいとして、オスカルは池田理代子の名作漫画「ベルサイユのばら」、怪盗ルパンはモーリス・ルブランの小説に出てくる架空の人物であって、タイムスリップしても会えるはずはないのですが…。物語の世界に転生するような設定のファンタジーも今どき珍しくないので十分アリなのでしょう。
オスカルは、貴族の家の娘として生まれるも事情により男性として育てられた、いわゆる“男装の麗人”。舞台作品としては、言わずもがな宝塚歌劇団の代表的ミュージカルとしてのイメージが強い方も多いでしょう。今回、氷川きよしの側からオスカルにアプローチしたビジュアルはまさに「逆宝塚」といった感じです。

(追記)よくよく読むと、各報道記事にはジャンヌ・ダルクやルパンの名前が出ているものの、明治座の公演サイトには出ていません。さらに「オスカル」の名前はどこにも出ておらず「貴公子」などと書かれています。なので、これらの人物が名乗って劇中に登場するわけではなく、あくまで「ジャンヌ風」「ルパン風」「オスカル風」の衣装を、子門慧音が場面によって纏う、というだけなのかも?

明治座 氷川きよし特別公演2022
(明治座サイトから画像を引用させていただきました)

同じく公開された公演のポスターをよく見ると、豪華絢爛な宮殿に並んで立つフランス貴族風の出演者たちの手前に、背景とは不釣り合いなコンビニの鮭弁当、明太子のおにぎり「限界突破 明太子」、どこかで見たような「MeijizaMart」のレシート、誰かが脱いだコンビニ店員の制服(?)が宙を舞うように写っています。

さらに、レシートに書かれた商品名を解読すると、「限界突破 明太子おにぎり」の他にも「特選銀鮭幕の内弁当」「meiji the チキン」「ズンドコ緑茶」の文字が見え、遊び心が伝わってきます(笑)。やはり氷川きよしに一番似合うおにぎりは明太子であるべきで、和風ツナマヨではサマにならないのです。もしかして、コンビニの商品ごとタイムスリップして、フランスの人たちが「このチキンうまっ!」とか言うシーンがあったりするのでしょうか。

レシートにはレジ担当者として「子門慧音」の名前が印字されていますし、おそらく主人公が明け暮れているのが、コンビニのアルバイトなのでしょう。コンビニ店員という地味な姿からフランス貴族まで、振れ幅の大きい衣装展開が期待されます。

で、もう一つ気になることが…。

公開されたオスカル(風)、ジャンヌ(風)、ルパン(風)が並んだビジュアルには、さらに左右に1人ずつ、黒いシルエットの人物が写っていますよね?

氷川きよし 劇場公演ビジュアル
(明治座サイトから画像を引用させていただきました)

氷川きよしが扮する姿が3種類のみなら、わざわざ5人並びの構図にする必要はないはず。これは、今はあえて残り2人の姿を伏せておき、段階的に明らかにしていくというメッセージの込められた、“ティザービジュアル”なのだと思います。左端のシルエットはちょっと小柄に見えますし、別の出演者である可能性も? うーん、だったら右側に「KIYOSHI HIKAWA」の文字は入れないのでは…。
では残り2人のシルエットは、誰をモチーフにしたものなのでしょうか? 右端の、頭に派手な飾りを付けて扇子を持っているのはおそらくマリー・アントワネットだと思うのですが、左端が誰だか分かりません。この人物だけカーテンの陰から覗き込むようにしているのも気になります。全身黒のドレス・ブローチ・とんがり帽子は魔女っぽくも見えます。フランスの歴史や文化に詳しい方ならお分かりなのかもしれませんが、恥ずかしながら私の知識ではここまでです…。

最後に。サブタイトルは「ケイト・シモンの舞踏会」となっています。なぜ「子門慧音の舞踏会」「シモン・ケイトの舞踏会」ではないのでしょう?
「シモン」はフランス人によくある、男性の下の名のようです(※女性名だと「シモーヌ」)。慧音(けいと)という名前は難読ですね。「ケイト」は女性の名前としてポピュラーですが、フランス人にも使われるのかどうかは分かりません。もちろん日本人が欧米に行けば名→姓の順で名乗るのが一般的ですが、フランスにおいて「シモン・ケイト」と名乗るのと、「ケイト・シモン」と名乗るのとでは、大きく意味合いが違ってくるのかもしれません。フランス語事情に詳しい方の考察を望みます。

氷川きよしおよび「kii」としての現在のキャラクター、そして本人の意向もストーリーや演出に反映したと思われる、今回の特別公演。活動休止前、彼にとって渾身かつ今年最大の舞台となることは間違いないでしょう。

「群青の弦」氷川きよし

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