ピアノ

2022年12月3日、フジテレビで「芸能人合唱バトル」が放送されました。

・フジテレビ「 芸能人合唱バトル 」
www.fujitv.co.jp/b_hp/gasshobattle/

演歌チームと、歌うま芸人チームがそれぞれ合唱団を結成。点数を競って対決するという内容。土曜日の夕方、一度きりのスペシャル番組でした。どうやら全国ネットではなく、関東ローカルの番組だったようです。

<目次>
各チームの出演者
演歌チームの1曲目
芸人チームの1曲目・2曲目
演歌チームの2曲目
チーム戦ゆえ、歌手個人にはスポットが当たらない
各チームの出演者

演歌歌手チームの出演は、

一条貫太、江南しのぶ、小川みすず、可愛ゆみ、木川尚紀、木村徹二、さくらまや、椎名佐千子、塩乃華織、竹川美子、知里、戸子台ふみや、中西りえ、花咲ゆき美、はやぶさ(ヒカル、ヤマト)、原田波人、水城なつみ、山川豊、六本木ヒロシ

という20人でした。(五十音順)
ちなみに、上記で太字にした歌手には共通点があるのですが、お分かりでしょうか? (正解はこの記事の最後に)

歌うま芸人チームは、狩野英孝をリーダーとし、ほしのディスコ、チャンス大城、河邑ミク、ゆめちゃんなど。最近「水曜日のダウンタウン」で大江裕とロケで共演し、ドッキリを仕掛けられて話題になったチャンス大城も出ていて意外でした。

演歌チームの1曲目

それぞれのチームは20人で合唱団を結成。合唱用にアレンジされた曲を2曲ずつ練習して、本番のスタジオ収録で披露し、点数の合計で勝敗が決まります。

言うまでもなく演歌歌手は、普段コブシ・ビブラート・しゃくり・タメなどの技法を多用しているうえ、それぞれ歌い方や声に個性があります。彼らが歌って合唱として成立させるには、それらの個性を極力抑え、歌い方や呼吸を揃え、自己主張せず、チームとして協調しなければなりません。せいぜいデュエットする機会はあっても、これだけ大人数でハモり、合唱することはまずないでしょう。

番組開始早々、演歌チームはOfficial髭男dism(ヒゲダン)の「ミックスナッツ」を合唱で披露。原作は「少年ジャンプ+」の人気マンガで、22年春からアニメ化された「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」の主題歌です。まさに最新ヒットであるうえ、普通に一人で歌うだけでも激ムズな曲なのに、それを合唱で、演歌歌手にやらせるなんて、なんつー無謀なことをさせるのか!(笑)

「ミックスナッツ」は言葉数が多く、複雑な主旋律の歌い回しを覚えるだけでも大変。そのうえ、ソプラノ、アルト、テナーの3パートに分かれ、ハモリのコーラスが付き、さらには原曲にはない大胆なアレンジが加わるので、合いの手に入るスキャットのようなコーラスまで覚えなくてはいけません。練習はさぞ大変だったのではないでしょうか。(私には無理そう…)
スタジオ歌唱に臨んだ演歌チームは、みな覚えたものを間違えないよう歌うのに必死な様子で、見ているほうがドキドキでした。無事に歌い切ってホッ。

芸人チームの1曲目・2曲目

歌うま芸人チームが挑戦したのは、「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子、「新世紀エヴァンゲリオン」主題歌)、そして「恋」(星野源)でした。

両チームとも、真剣に取り組んでいる様子が印象的でした。合唱のアレンジ、および合唱指導を担当したのは同じ方(国立音楽大学の合唱講師・木島タローさん)なので、教える人による有利不利は生まれないはず。でも、審査員や視聴者が聴いた時に、「合唱曲としての難度」よりも、華やかさ・はつらつとした感じ・ノリのよさ・それに伴うパフォーマンス(盛り上がってくると自然に手や全身が動いてしまう様子とか)の点で、選曲が芸人チームに少し有利だなぁと感じました。

「残酷な天使のテーゼ」はダイナミックで力強い合唱アレンジの素晴らしさもあって、非常に盛り上がりましたし、「恋」は当然のように、みな振り付きでノリノリで歌っていました。
でもそれくらい、お世辞抜きで、芸人チームは2曲とも素晴らしかったです。チームを引っ張り盛り上げる、狩野英孝のリーダーぶりもよかった。演歌チームを応援していた私が、芸人チームのパフォーマンスのほうを録画で繰り返し見てしまったほど。

演歌チームの2曲目

歌うま芸人チームがスタジオを盛り上げ、興奮冷めやらぬ中、1曲目の点数ではリードしていた演歌チームが、2曲目「川の流れのように」(美空ひばり)をしっとりと合唱。曲調も全然違うし、決して点数で比べられるものではないのでは…。そして審査結果発表へ。「誰もが予想しなかった展開に」というナレーションをバックに、ヒカルくんが涙を流しているシーン(!)が何度も挟まれます。あれだけ練習したのに、歌手チームとして芸人に負けたら悔しいに違いありません。果たして勝敗の行方は…!?

合唱

チーム戦ゆえ、歌手個人にはスポットが当たらない

チーム戦なので仕方ないとはいえ、それぞれの歌手は番組冒頭にほんの数秒名前が表示されたのみで、一人ひとりには、ほとんどスポットが当たりませんでした。山川豊とさくらまやは何度も映ったりコメントしたりするのに対し、他の18人は「その他大勢」で、ほぼ空気でした。出られるだけでも貴重とはいえ、この扱いはちょっとひどかったのでは?(芸人チームの一部は、前に進み出てソロで歌う見せ場がありました)
私は、合唱披露シーンで演歌歌手の歌う顔がアップになる度に、心の中で「頑張れ!」と叫んでおりました。あと、小柄なヒカルくんを後ろの2列目に立たせて、そのすぐ前に長身の山川さんや木村アイアン徹二くんを立たせるのもひどくないッスか?
歌番組や歌謡イベントへの出演がほとんどなく、共演経験も少ないであろう さくらまやが、他の歌手とどの程度交流があるのかは分かりません。そんな彼女が前面に出て、演歌チームのリーダーを務めていたのもちょっと謎でした。せっかくなら、さくらまやがリーダーとして苦悩しつつ、皆をまとめながら成長していく過程を追ってほしかったです。

ただでさえ難しい合唱曲を完成させるために、これだけの人数が一カ所に集まって練習するのですから、スケジュール調整が難しい上、かなりの時間を取られたと思います。それでいて、あれだけ練習して覚えても、披露できるのは一度きり。後日、演歌歌手が自分のステージで1人で「ミックスナッツ」を歌う機会もまずないと思われますので、ちょっと勿体ない気がします。あ、でもアニメが大好きで数々のアニソンをカバーしてYouTubeで公開している中西りえなら歌ってくれるかもしれません。

「演歌歌手たちがチームを組んで練習し、合唱する」という、まず普通では考えられない、貴重な機会でした。練習の時、どんな苦労や楽しさがあったのか、出演したそれぞれの歌手に詳しく聞いてみたいものです。そして、第2弾が企画されることに期待しましょう。
視聴できなかった方は、FOD(フジテレビオンデマンド・有料)で見られるようなので、ぜひご覧ください。

・FOD「芸能人合唱バトル」
fod.fujitv.co.jp/title/f078/

さて、先ほどの“太字にした歌手名”は、すべて日本クラウンの歌手です。
演歌チーム20人中、実に14人がクラウンの歌手でした。
鳥羽一郎から応援メッセージのVTRが紹介される場面もありました。

・さくらまや「クラスメートのような絆」演歌チーム率いて狩野英孝ら芸人チームと合唱バトル 日刊スポーツ

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