山口瑠美・山野さと子 南青山MANDALAで初のライブ

ウクレレカフェ

 2023年2月11日、東京・南青山MANDALAで「さと子と瑠美のウクレレカフェ 南青山MANDALAスペシャル!」が行われた。多くの童謡・アニメ主題歌を歌っている“ファミリーソング・シンガー”の山野さと子と、演歌歌手の山口瑠美。長年親交のある二人は、2020年6月からYouTubeで配信ライブ「さと子と瑠美のウクレレカフェ」を定期的に行っており、今回初めてライブハウスに観客を集めての開催となった。

 ライブの模様はインターネットでも生配信され、まだ有料で見逃し配信視聴ができるので(3月11日まで購入・視聴可能)、控えめにレポートを記す。
※見逃し配信視聴チケットの購入はこちら↓
 askmusic.official.ec/items/71422137

南青山MANDALA

 南青山MANDALAは、アコースティック系ライブハウスとして名高い。横長いステージをコの字で囲むように、両サイドにも一段高くなった席が配置されているなど、見やすく近い距離感で聴くことができる。ステージにはスタンドマイクが2本並び、左側にグランドピアノ。

 山口とウクレレの出会いは、もともと弾いていた山野さと子に勧められ、勢いで楽器店に飛び込んで購入したのが最初だそうだ。買ったもののしばらく仕舞いっぱなしで弾いていなかったが、コロナ禍を機に練習を始め、自身のYouTube配信などで披露するようになり、山野との共演で「ウクレレカフェ」も始め、いろんな曲にふれながら着実に上達。今では「ウクレレで演歌をうたう」という(たぶん)唯一無二の特技を持つ歌手になっている。

山野さと子・山口瑠美 ウクレレカフェ

 山口は落ち着いた黄色のワンピース、山野は花柄のワンピースで登場。二人でウクレレを立って弾きながら、童謡・唱歌などを歌唱。ノリのよい曲では客席から手拍子が起こる。山野がピアノを弾き、山口が歌う「天気雨」(2020年8月発表の山口瑠美のシングル)。これまで「ウクレレカフェ」で何度も共演した曲で、♪サラサラ降り出す天気雨… と、サビにハモリが付くのはこの二人の組み合わせでしか聴けない特別バージョンだ。さらに、今回のライブのために山口が作詞し、山野が曲をつけたオリジナル新曲「明日(あした)へ」を初披露した。

 「花」にまつわる曲、というテーマで客席からリクエストを募り、山野がウクレレでその場で歌うというコーナーも。有名な曲ばかりとはいえ、譜面も何もない状態で、タイトルを聞いてから瞬時に自分が歌えるキーの高さを判断し、歌詞やコード進行を記憶だけを頼りに歌うというスゴ技である。まるで、酒場で客のリクエストに応えて歌う「流し」のようであった。「これ、さと子さんが簡単にやっているように見えるかもしれませんけど、譜面ないんですよ? ものすごいことをやってらっしゃるんです!」(山口)

山野さと子・山口瑠美 ウクレレカフェライブ終盤、撮影OKタイムにスマホで撮ったもの ↑

 後半、ギターの齋藤隆弘さん、ピアノの栗山梢さんが加わり、贅沢なアコースティックサウンドが響く。山口は「私のままで」(2022年10月発表の最新曲「名もなき花」のカップリング曲)を歌う。これは、シンガー・ソングライターで、山野の所属事務所アスク・ミュージックの代表でもある新沢としひこさんが歌っていた作品。山口はライブでこの曲を初めて聴いた時に、あまりの感動に涙し、時間をかけてレコード会社にかけ合った上、新沢さんもカバーにOKを出すのを快諾し、CD収録に至ったという(この日は新沢さんも会場で見守っていた)。また、「名もなき花」のCDジャケットで着ている白い着物に着替えて登場すると、「演歌歌手としてお届けできる曲を一つ盛り込みたかった」と、ちあきなおみの「紅とんぼ」を雰囲気たっぷりに歌った。自ら作詞した最新曲「名もなき花」もしっとりと。齋藤さんの温かいギターの音が心地よい。「名もなき花」と「私のままで」、どちらも静かに心に響く美しい曲であり、まだステージで歌われた機会はそれほど多くないであろう中、初めて生で歌を聴く機会がピアノとギターの生演奏でよかった…と思う。

名もなき花/山口瑠美「名もなき花/私のままで」山口瑠美

 山野は、ピアノ+ギターの伴奏で、代表曲「メイプルタウン物語」「ドラえもん」の主題歌を歌唱。栗山さんの重厚でジャジーなアレンジが加わったピアノ演奏が素晴らしい。テレビから流れていたのと寸分違わぬ山野の歌唱に、多くの人が感動していたであろう。山野が尊敬してやまないジュリー・アンドリュース(映画「メリー・ポピンズ」「サウンド・オブ・ミュージック」主演で知られる)への想いを自ら作詞した「あなたにあこがれて」も。

ウクレレカフェ

 青いワンピースの山野が松田聖子を、着物姿の山口が中森明菜を、交互にノリノリで歌う。そして、バレンタインも近いということで、国生さゆりの「バレンタイン・キッス」。サビで片手を前に突き出すあの振り付けもバッチリ。さらに投げキッスも。こういう、普段なら絶対やらないようなことさえやってしまえるのが、この二人のライブの楽しいところである。

 歌手としては全く違うジャンルの二人だが、気心の知れた姉妹のような仲の良さと、互いをリスペクトする気持ちが、トークや歌から終始にじみ出ていた。それぞれの魅力にふれ、どちらのファンも楽しめるライブとなったに違いない。

※過去の「ウクレレカフェ」の配信アーカイブは、こちらから見られます。↓
YouTubeアスク・ミュージック公式チャンネル

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