弦哲也氏が「アイドルマスター シンデレラガールズ」に曲を提供 「ガチ演歌」作曲家の参戦にファン騒然
※筆者はソシャゲに限らずパズル系ゲームも一切やらない人間ですので、アイマス・デレマスについては「たくさんアイドルが出てくる育成ゲーム」「イラストがどれもすごくかわいい」程度の知識しかなく、まったく詳しくありませんので、状況説明に留めます。間違った言葉遣いや、見当違いの記述があったらご指摘ください。
・アイドルマスター シンデレラガールズ – Wikipedia
演歌に詳しくなくても分かる「ビッグネーム」
3月9日、「アイドルマスター シンデレラガールズ」(略称:デレマス)シリーズのCDを発売している日本コロムビアのサイトで、新たに3人のキャラクターのソロ曲が4月に発売されることが発表されました。
・THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 049-051
関裕美・三船美優・村上巴(2018年4月4日発売)
その中の一人、村上巴(むらかみ ともえ)というキャラが歌う「おんなの道は星の道」という楽曲の作家陣が「ガチ演歌」であることに、デレマスのファンは騒然。
そこにはなんと、作曲:弦哲也 編曲:南郷達也 という、演歌ファンにとってはあまりになじみの深すぎる、超メジャーな作家の名前が記されていたのです。
お嬢の曲の作曲家の弦哲也さんは日本作曲家協会会長です。天城越えとか作曲してます pic.twitter.com/kZhCIg4Orh
— 工藤かなえ (@tes2093100X2) 2018年3月9日
演歌の代名詞ともいえる「天城越え」の作曲者で、日本作曲家協会の会長。それだけで、演歌になじみのない人にとってもビッグネームだと分かる存在。そんな弦哲也氏が、これまで縁のなかったアイドルゲームに楽曲を提供するのです!
(補足すると、作詞の田村武也氏は、弦哲也氏の息子さんです)
村上巴とは? 担当声優の花井美春とは?
さて、村上巴さんとはどういうキャラクターなのでしょうか?
4月4日(水)にコロムビア様から発売される「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 051 村上巴」のCDジャケットイラストを描かせて頂きました。詳細は公式HP→t.co/Di9RWgTqcI 何卒宜しくお願い致します pic.twitter.com/xPGywP2KkH
— くろごま (@kurogoma_cyan) 2018年3月12日
・アイドルマスター シンデレラガールズ 村上巴 – Wikipedia
「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場するアイドルの一人、村上巴さんは、赤髪と和風な衣装が特徴的な、広島出身の13歳という設定。広島弁でしゃべるうえ、実家の家業(笑)のせいかやたらと義理と人情に厚く、また古風な言い回しが多いらしく、岩下志麻さんやかたせ梨乃さんや夏目雅子さんを彷彿とさせます。
そのうえ、これも家庭環境の影響か、演歌が好きなのだそうです! アイマスのキャラの中に演歌好きな子がいたこと自体、驚きです。Σ(゚Д゚)
P(プロデューサー=推しのアイドルを育成する、ゲームのプレイヤー)の皆さんの間では「お嬢」という愛称で呼ばれているようです。
ちなみに私は「お嬢」と聞くと銀次さんを思い出します。
知識のない筆者にとって意外だったのは、デレマスには、ゲームの中でキャラクターとして登場していながら、まだ声のない(声優が決まっていない)キャラがたくさんいる、ということ。
定期的に行われる総選挙(人気投票)によって、上位になったキャラは声優が付くことが決まり、声優が決まってボイスが実装され、ゲーム内で音声を伴ったドラマ部分や、その子のためのソロ曲が作られるようです。
村上巴さんの声を、声優・花井美春さんが担当することが発表されたのが、10月末。
この度 「アイドルマスター シンデレラガールズ」で村上巴ちゃんの声を担当させて頂くことになりました。プロデューサーの皆さんっ!ツンデレな巴ちゃんにアイドルの素晴らしさを教えてください!!
よろしくお願いします— 花井 美春 (@Hanai_miharu) 2017年10月31日
みなみなさまへ
2017年はさまざまな経験を積ませていただき本当に多くの方々に出会えた年になりました。楽しくお仕事ができているのも私に携わってくださる方々 そしてファンの皆さんのおかげです
ありがとうございます!
良いお年を pic.twitter.com/BFp37gXrx5— 花井 美春 (@Hanai_miharu) 2017年12月31日
花井美春さんは20歳の新人声優で、北海道出身。民謡を学んでいたそうで、プロフィールにはさまざまな大会で上位入賞している経歴が記されており、民謡の実力は折り紙付きのようです。
民謡と演歌の歌い方は同じではないものの、似た部分もあります。実際、演歌歌手にもかつて民謡を学んでいた人は多く、その発声法をいかした曲を歌ったり、ステージで民謡を披露したりといったことがよくあります。
「おんなの道は星の道」がどんな演歌に仕上がっているのか、そして村上巴さん(花井美春さん)がどんな歌声を聴かせてくれるのか、楽しみです。
演歌好きならではの「作家の呼び方」がある
ところで。
演歌の世界の慣習として、作詞家・作曲家・編曲家(これらを「作家」と総称します)の人たちを「○○先生」と敬称を付けて呼ぶ、というのがあります。
歌手たちはもちろんのこと(※自分への楽曲提供の有無は関係ありません)、演歌関連の仕事をしているレコード会社やプロダクション、放送関係、出版社の人間は皆、普通の会話の中で「先生」と使います。それは「間接的にお世話になっている」「いい曲を書いてらっしゃる」という感覚が実感としてあるからです。
なので、日常会話の中で、ごく自然に「へー、今度の誰々の新曲、○○先生なんだ」とサラッと言えるようになったら、演歌ファンの第一歩です(笑)。
もちろん、無理に「先生」を付ける必要はありません。政治家に媚びて「先生」と呼ぶようで、何だかイヤだな…と思うかもしれませんし、一般の方は「さん」付けで構わないと思います。歌番組の中でアナウンサーが呼びかける場合も「さん」付けが普通です。
でも、もし「有名なアノ曲を書いた人なのか…!」とか「プロの作曲家って、やっぱりすげえ…!」と思うことがあったら、その時はぜひ敬意を込めて「先生」と呼んであげてください。
例えば、あなたが好きな漫画の作者は、自然と「先生」を付けて呼ぶことがありますよね? それと同じような感覚です。
巴さんのシンデレラマスターの情報が嬉しすぎて漫画描きました。 pic.twitter.com/P1haXt1trB
— たまねぎ太郎 (@OniOn_Taro) 2018年3月9日
村上巴シンデレラマスターおめでとう 弦哲也先生を引っ張れたのは
・村上実家圧力説(フィクション派)
・今日日アイドルソングは枚数出るから快諾説(メタ派)
みんなはどっちかな! pic.twitter.com/1RtQh4BuQ3— najima (@stripes_seven) 2018年3月9日
今回の弦哲也氏起用のニュースを受けて、デレマスのファンである絵描きさんが描かれた漫画。
それぞれ違う方が描いたもので、もちろん公式なものではありませんが、上の漫画ではP(プロデューサー)が「弦哲也さん」と言っているのに対し、下の漫画では、村上巴さんはきちんと「弦哲也先生」と言っており、図らずも演歌に対する思い入れの強さが明確になった形です。さすがお嬢。
弦哲也氏のネームバリューの重さを理解していると同時に、演歌界の礼儀を既に心得ているのですね。まだ13歳なのに(笑)。
普段はツンデレで姉御肌な口調でしゃべっているからこそ、敬意をストレートに表しているのが珍しく、彼女が演歌が本当に好きであることが分かる、的確な描写ではないでしょうか。(^^)
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(追記)
この経緯について、日本コロムビアのプロデューサーにインタビューした記事を
「ねとらぼエンタ」に掲載していただきましたので、ご覧ください。
やっと公開できました!
思い立ったのが4月初めで、予想以上に準備に時間がかかってしまいましたが、読み応えあるインタビュー記事にできたと思います。ご協力いただいた皆さん、ねとらぼ編集部さん、ありがとうございました!(^^)#村上巴 #おんなの道は星の道 #弦哲也 #演歌 t.co/WgembmKbll— 演歌記者・咆哮堂 (@houkoudou) 2018年6月15日